先日、ある大企業の若手有望株とお話しする機会があった。

この企業、業界に変革をもたらすことで成功し、長期間にわたって高い収益性を誇って来た企業なのだけれど、昨今の早すぎる環境変化の中で、基幹事業がベンチャーに蚕食されて収益性が悪化し、いつしかノルマ至上主義となって組織風土が劣化してしまった、典型的な大企業病に陥っていた。

で、当然のように、バリュチェーンの再構成と、その前提としてのカンパニー制への移行、提供価値の再整理と強化策の検討、若手への権限移譲による組織のアジャイル化、なんてメニューを提案したんだけど… 初手の「バリューチェーンの再構成」「カンパニー制への移行」のところでつまづいた。

「たくさん人がいるからこそ、できることがあると思うんです。」


うーん、でもさ、それを追求してここまで来て、ニッチもサッチも行かなくなりつつあるんじゃないかな。もちろん、彼(彼女)が悪いわけじゃない。大企業であることを、ほぼ妄信的に是として、イノベーションへのモチベートを行ってこなかった、マネジメント層にこそ問題があるのだと思う。

一人ひとりの、イノベーションへのモチベートを継続していくこと。否応なく変革を求められる時代だからこそ、組織をイノベーションへと鼓舞し、リードしていくことが、経営には強う求められているのだと思う。



ふと思いついて、「標準化」「提言」「政府」と検索窓に入れてみた。結果は約144,000件。どうも、政府というところは、標準化という言葉が好きらしい。

とはいえ、学生の時に習ったように、エントロピーは必ず拡大する。いくら体系的に整理して、インセンティブを繰り出して従わせようとしても、多くの自発的な創意工夫の結果、標準に収まらない新たな事象やデータが溢れ出してくる。そして、新たな標準が必要になって、さらなる標準化の連鎖が続いていく。

有史以来、鍋1つ標準化できない我々には、どだい標準化なんて不可能かもしれない。

ただ、それでも急速に進むIoT 、データエクスチェンジの時代に(標準化の本来の目的である)互換性の維持が必要なのであれば、いっそのこと、データ互換性を支えるAIを本気で開発したらどうだろう。どんなデータベースでも、どんなデータフォーマットでも、もちろん画像でも動画でも、適切な標準化を行なって互換性を実現できるAI。

チャレンジしてみる価値はある、気がする。

課題先進国である我が国においては、シェアリングエコノミーやPDS等のデータ活用サービスとも言える分野で、多くの事業開発と、それを通じた社会課題の解決と産業の活性化が期待されている。

しかしながら、多くの実証事業や、ベンチャー企業による取組みにも見られるように、例え、先端的な技術や先駆的なビジネスアイデアであったとしても、あるいは欧米で成功しているビジネスだったとしても、実際に我が国で社会的認知を得て、事業として独り立ちするまでに至らないケースが多いように思う。

いうまでもなく、事業は生み出すのも困難だが、育てるのはその何倍も難しい。では、事業を「育てる」、あるいは安定的収益を生み出すまでに「スケールさせる」には、一体、何が大切なのだろう。

今年に入って、60社を超える、いわゆる先進的データ活用企業のみなさんとディスカッションさせていただいて気づいたのは、「スケール」した事業には、提供しているサービスや商品に「スケールするDNA」が組み込まれているのではないか、ということ。元も子もないようだが、事業運営や展開戦略ではなく、むしろ商品やサービスの本性そのものが卓越していたと思われるのである。

では、「スケールするDNA」とは何か?

それは、それぞれの事業の提供価値や体験の素晴らしさや、バリューチェーンの効率性、ましてや先進性なんていう送り手側の要素ではないらしい。もっとターゲットにとって潜在的でドロドロした、例えばB2Cで言えば消費者の「自分だけは失敗したくない」といった感情や、B2Bの事業であれば「競合から遅れていると思われたくない」といった、本性に近いところの見えない猜疑心に、ちゃんと食い込めるかにあるらしい。

例えば、100万アカウントで成長が止まった、AIを用いて個人のニーズに合わせてカスタマイズニュースを配信するサービスは、「今話題になっているニュースはこれ!」というカスタマイズとは真逆の配信ポリシーに切り替えることで、話題に遅れるのを恐れるユーザーを獲得し、あっという間に500万以上のアカウントに到達した。また、あるスマホ上の家計簿サービスは、単なる家計簿の機能を超え、自治体の給付金や医療費控除の提案機能を提示することで、日々のもらい忘れを恐れる幅広いコアユーザーを獲得した。

いずれも、当初の事業コンセプトを変更してでも、提供サービスに「スケールするDNA」をしっかり組み込んだ事例と言えるだろう。

そんな視点で、提案されている多くのデータ活用サービスを見つめ直してみると、「スケールするDNA」が埋め込まれている事業はまだまだほんの一握りだと思う。
一例をあげれば自分の運転状況に応じて自動車損害保険の保険料が安くなるテレマティクス保険は、間違いなくDNAが埋め込まれているし、一方で、これからの発展が期待されるPHR(Personal Health Record)サービスをスケールさせるには、医療費控除や保険料の減免といった、損したくない気持ちに応える仕掛けが不可欠だろう。

データ活用サービスの本格的展開はまだまだこれから。「スケールするDNA」のあり方も、これからますます増えてくるだろう。しっかりと研究しながら、自分なりに提案できるよう考えてみたい。


果断であること。と、無鉄砲であること。
機を見極めること。と、無策であること。

それぞれを分けているのは、結局は、時間を圧縮して考えられる力と、幅広い見識なのだと思う。

いずれも、新しい人たちとの「出会い」と「無駄話」で生み出されること。椅子の上に座って、いつものメンバーと会議いているだけのリーダーは、もういらないのかもしれない。



先日の新聞記事で、日本の郵便システムのロシアへの輸出が話題になった。

郵便を支える機械やソフトウェアだけではなく、配達までを含めた全体の仕組みや、継続的運営を可能とする細かいノウハウ、これらを実装するための講師とプログラム、それら全体を提供する典型的な「インフラ輸出」である。

平均的遅延が1分以下と言われる新幹線に代表されるように、我が国の社会の強みは、個々の機械やソフトウェアというよりは、運営ノウハウや、業務関連教育等、それらをすべて統合した全体的なスキームの精度の高さと安定性にある。中国等の諸国が単体製品の品質とUXまで含めた魅力で競争力を高めつつある中、我が国の輸出のあり方が、インフラ輸出に移行していくのは必然なのだろう。

ここで、ひとつの論点が惹起される。「今、自らが展開している事業をめぐるエコシステムは、「インフラ輸出」として世界に輸出できるほどに、十分な競争力を有しているだろうか?」

実際に輸出するかしないかは別として、輸出に耐えられるほどに精度高く、安定していて、何よりもエコスステムとして魅力的なものでなければ、多くの業界でバリューチェインの再編が進む中、筋肉質でアジャイルな新たなイノベーター企業、あるいは水平統合型の企業に凌駕されてしまうだろう。

我が国の輸出がインフラ輸出型へと展開していく今は、事業者にとっては、自らのエコシステムの競争力を見つめ直す格好のチャンスと言える。


Twitterをボーっと流して見ていて、発見したデータ表現。

データがこのようにグラフィカルになるだけでも、ターミナルのキャパシティやダイヤ、防災投資のあり方など、そこに潜んでいる課題や、その解決の糸口が発見できるような気がする。

素晴らしい。




今進めているプロジェクトの関係で、企業の内部でデータ・情報の利活用を引っ張り支えている皆さんに、集中的にお話を伺う機会をいただいている。その数、1月末からの3週間で25社以上。ここで、お話しいただいた内容の本質は、あまりにも素晴らしすぎて(何しろ、evernoteにパスワードをかけたほど)、いずれ別の形でまとめたものをご紹介するとして、その中で皆さんから口々に指摘された課題が一つ。

それは、人材のこと。マーケティング、事業の構造変革、データ・情報のマネタイズの全ての領域で、我が国のデータ・情報の利活用推進の大きな障壁となっているのが「データ・利活用人材」の払底。この点については、ほぼすべての企業で同じ悩みを抱えている。

その中でさらに指摘されたのは、データ・利活用人材に必要なのは、デジタルやプログラミングに強いことではないのだということ。むしろ本当に必要なのは「ビジネスマインド」。すぐれたビジネスマインドを持った人材に、その武器として、デジタルはむしろ後から与えれえばいい。今の我が国の市場環境にあって、挑戦し続けるビジネスマインドを持った人材こそが足りなくなっていることだった。

顧みてみると、村井先生が率いるSFCの本当の強さは、ここにあったのかと改めて納得。40歳前後のSFC出身の起業家たちを見ればわかるように、創成期からキラ星のごとくの起業家たちが輩出され、我が国のデータ・情報利活用産業の主軸となっている。村井先生ご自身もそうだけど、第1に開拓的ビジネスマインド、第2に武器としてのデジタル、そのバランスこそが今必要な人材像と合致している。

IT、中でもデータ・情報の利活用による新産業の創出と社会課題の解決のために、ますます多くの高等教育と必要であれば海外人材の活用策を使って、開拓的ビジネスマインドとデジタルを兼ね備えた人材の確保が緊急課題になってきているように思う。

「できなかったこと」ではなく
「できたこと」を評価しよう。

「すごいこと」ではなく
「さりげないこと」に誠意を感じよう。

「違い」ではなく
「共通点」にこそ目を向けよう。




つい先日、競合ピッチでご一緒した制作会社の役員の方から面白い話を聞いた。
映像制作の現場に本気でデジタルが導入され、さらに4Kの導入が進もうとしている今、米国やオーストラリアなどの制作の現場に、日本ではまだ見られない大きな変革が起こっているというのだ。

その立役者となっているのは、DOP(Director Of Photography)とColorist。DOPとは、主に撮影の現場で、フレーミングとその中にある光のすべてに責任を取り、映像をデータとして定着させるヒト。一方で、Coloristはシューティングされたデジタル素材を基盤に、ディレクターの指示のもと、Da Vinciなどの機材を活用したグレーディングという作業を通じて、アウトプットとなる映像のすべての色世界を創造し管理する。

最近のハリウッド映画や、一部の作品性の強いCMを思い浮かべてもらうと、本来の色合いではないものの、高度にコントロールされ、一貫した世界観を実現している高品位な映像に思い当たるだろう。それこそがDOPとColoristの仕業。この二つの職種は、デジタル化の深化とともに脚光を浴び、今や高品位な映像制作の現場では欠くことのできない存在だという。

DOPとColoristの組合せの中では、映像制作のプロセスは水平分業され、それぞれのSOWとJob Discriptionが明確化された形で、各々のプロフェッショナリズムが発揮されている。一方で、日本の映像政策の現場では、未だにカメラマン、ライトマン、編集さんという区分が主流のまま。映像制作においては、未だに垂直分業された職人の方達が、一体化されたチームとして動いている。

もちろん、垂直分業型チームには、彼らでしかできない映像のあり方がある。しかし、来るべき4K時代において、そして映像作品の品位にさらに価値が出てくる中で、水平分業型のシステムの採用と進展にも、それぞれのスキルの進展とプロフェッショナリズムの育成という観点から大きな価値があるのではないか?

そして、環境変化の中、垂直分業型から水平分業型のプロセスの組み替えというテーマは、他の業務やプロセスにおいても、やはり当てはまるのではないだろうか?環境変化における、新しいプロセスの実現と、そこでの人材やチームのあり方について、改めて考えさせられる話だった。

Recently, as you may have been aware, it is so hard for us to find out clear and understandable Consumer Journeys in many product categories.

4-5 years ago, when we started the investigation on Consumer Journeys on global markets, we could observe definitely clear sequential usages of several information resources like TVC to owned sites, owned sites to review sites, reviews sites to storefront and comments from store guys. These kind of flows were so apparent on decision processes of rather expensive consumer products e.g. Flat-displays, PCs, Digital cameras, automotive, etc. Based on these observations in conjunction with hypothesis, we could develop effective and efficient communication designs in those days.
- It can be said some kind of Funnel model has not been dead at least 4-5 years ago. -

But, the situation has been drastically changed by emerging Citizen Journalism.

Consumers armed with social networks started to talk loudly and frequently on their experiences about products' designs, usages, services and the decision processes. According to our global surveys, around 5% of purchasers mentioned their experiences on the Internet after their purchases of products.

For many of consumers, the experiences of advance troops are the most creditable and authorized information. Actually, on many matured markets in Europe, North America and northeast Asia, the buzz on the Internet and comments on review sites dominate the position of most effective and utilized information resources.
- On the other hand, developing markets like India and mainland China, we might go with TVC for 2-3 years, hopefully. -

Consumer Journeys have already DECOMPOSED in matured markets.

We are no more able to go with sequential communication processes. Instead, we have to find out maybe one or two key element(s) in the purchase decisions. It may be a comment on a review site, merely a recommendation from a friend, even a glance of a user in Starbucks.
- Actually, one of our survey shows the most crucial information resource on purchase of headphones is seeing friends wearing the headphone. -

We, as the communication strategists, have to redefine the Consumer Journeys. Again, we can't rely on sequential processes but the key Elements on the ocean of immense information. We have to find out the keys that could push people or indicate their intention. For that, we have to establish another kind of marketing platform.

Holistic Attribution Management with insights and hypothesis is now needed.

Holistic Attribution Management may seem like communication management based on Big Data. Whereas it should be more lean and more customized taking deep consumer insights and hypothesis on consumer behavior into account. It should be constructed from carefully selected data but not from all data around communication. It may be constructed from the exposure of TVC, search frequency and daily sales. Or it may be constructed from the output of weekly simple questionnaire survey, the viewership of footage on YouTube channel and online sales on owned shopping site.

The big advantage of Holistic Attribution Management is Agility. With this Agility, we could manage our new type of Consumer Journeys on daily or hourly bases effectively.

For developing Holistic Attribution Management, we need to be keen about the mechanism behind purchase behaviors. Also, we have to consider the characteristics of touch points. Interesting to say, every touch points have their own roles symbolizing consumers' feelings about the brands. For example, Searching shows the proactive attitude on consumers and finally it relates the premium-ness of brands.

We have to be more and more smart. Smart enough to find out new type of Consumer Journeys with key touch points in communication, managing them with Holistic Attribution Management. Wisdom must be our weapon surviving through the era of Citizen Journalism.



久しぶりにスクラップブック(といっても、デジタルスクラップブックのEvernoteね)を読んでいたら、面白い記事を見つけた。2003年2月5日にZDNetに掲載された、ネット時代の仕事スタイルの記事。


職場の私的ネット利用、自宅作業で補填(2003/02/05)
従業員が職場で私的なネット利用に時間を浪費しているように見えても、自宅でそれを上回る時間を仕事に費やす傾向にあることが、最新の調査で明らかになった。この調査「National Technology Readiness Survey」はメリーランド大学Robert H. Smithビジネス校が、マーケティング会社Rockbridge Associatesと共同で実施、2002年12月に501人を対象に実施した。
それによると、自宅と職場の両方でWebを利用している人が、職場で私的なWeb閲覧に費やす時間は週平均3.7時間。しかし、自宅で仕事のためのネット利用に費やす時間はこれを上回る週平均5.9時間だった。
米国では社員の私的なネット利用を取り締まる企業が増えているが、同ビジネス校e-ServiceセンターのディレクターRoland Rust氏は「今回の調査により、企業が職場での私的インターネット利用を、不可避であるばかりか組織にとって前向きなこととして、ある程度受け入れるべきだということが示された」と指摘している。
もっとも、自宅にネット接続手段を持たない社員の場合は、職場で6.5時間をWeb利用に費やしていながら、自宅で仕事をする時間は3.7時間にとどまっている。(ZDNet)


なんと、10年前にこんなことが指摘されてたんだね...10年経った今はどうだろう?会社の労務や情報システムはいやがるかもしれないけれど、Dropboxでファイルが共有され、思いついたときにはEvernoteでIdeaを記録、Google上でスケジュール共有して、緊急のグループ連絡はSMSやLineで入り、Tabletで仕事の資料を読む...なんて日常が普通になった今は、プライベート/ビジネスなんて境界は、とうの昔に無くなってしまった気がする。


だからこそ、ワークスタイルの再改革が必須だと思う。ネット&クラウド、Face to Faceの共同作業の重要性、時間圧縮への要請、そんな時代のスピード感に対して、充分に答えられるWorkstyleを発見して行かなきゃね。

方言を話せることは、ある種の教養なのだと思う。

最近、方言を聞いていて、ハッとすることが多い。それは、方言として語られている言葉の端々に、人々の心遣いや生き方、それに歴史すらも垣間みられるから。
残念ながら、僕など、すっかり自分の方言を忘れてしまって、とても粗雑な言葉遣いになって久しいから、余計に、その驚きは大きいのかもしれない。

いろいろな言葉を寄せ集めて、平均化して、足キリして、頭を揃えて出来上がった『標準語』よりも、純粋で、ごろっとしていて、生っぽくて、なにより歴史をそのまま生かしている『方言』こそが、温かで穏やかな魅力に満ちている気がする。
そんな温かな、魅力ある言葉を扱える人々には、豊かなココロと生活に支えられた、本当の意味での教養があるような気がしてならない。

シンガポール、到着!

レッドアイ便で、すっかり眠い頭に鞭打って、通信環境を整えるために、両替所へとプリペイドSIMを買いに行った。

チャンギ空港には、バゲージ出たところに、専門のモバイルリテーラーもあるんだけど、両替所で買うのが一般的みたい。ただし、両替所によって、扱いキャリアが違うので、注意が必要。(今回は、SingTelを探して2箇所ほどさまよった)

事前にネット上で見つけられる情報は、とても少ないんだけど、案ずるより産むが易し。店頭で話をしたら、何の不都合もなく、すぐに引き出しから出してきてくれて、無事、iPhone 5とiPad mini用のプリペイドnano SIMを、一枚づつゲットできた。

親切なお姉さんに、アクティベートの仕方と、データプランの選び方(iPhoneではSMSで設定、iPad miniでは専用のサイトで設定)を教えてもらい、アーリーチェックイン待ちのホテルのロビーで見事設定完了。

それにしても、簡単快適!LTEじゃなくて3Gだから、スピード感はないけど、それでも、こんな感じでモバイル環境が手に入るのはさすが国際国家。



最近、グローバルの仕事をしていて、つくづく代理店に今こそ求められているのはイノベーションなんだな、と痛感してる。しかも、広告やキャンペーンのイノベーションではなくて、ビジネスモデルと付加価値そのものイノベーション。

例えば商社は商流を新しく開墾することで、継続的にお金を儲けるカラクリを創り続けてる。新しい消費拠点を作って、そこへモノを流し込むカラクリを作ることが商社の本質。工場建設の資材運搬や、港での荷物の一時保管とか、そういう細かいところまでを行いながら、大きな商流を作り上げ、おカネが落ちるカラクリを作り続ける、これが商社のビジネスモデル。

昔、この商社のビジネスモデルとドメインは商圏という言葉で表現されていた。今から20年ほど前に、商社が大きな危機に瀕してしまった時、当時勃興したネットという新しい商圏を押えられなかったこともあるだろうが、なによりも、港だとか、倉庫だとか、ロジスティックスだとか、小麦だとか、旧弊の商圏にしがみついてしまったことが、自らの危機を招いたんだと思う。

でも、あれから時間を経て多くの商社はすっかりリカバーした。それは、商流にイノベーションを起こし、商圏を開墾し続けているから。このダイナミズムが商社の利益率と自負とを支えているんだと思う。

顧みて、代理店は、我々はどうだろう?通信社のニュースに広告を付けた時、マーケティングという概念を日本に本格導入した時、TVというメディアを開拓した時、確かに代理店は、コミュニケーションにイノベーションを起こし、新しいおカネが流れるカラクリ、代理店にとっての商圏を確立したかもしれない。

そして、ネットという新しい情報の流れについても何とか乗りこなし、デジタル化の流れの中でもこれをモノにしているようにも見える。でも、これは国内のこと。クライアントとの関係、メディアの支配力、資本力といった、旧弊の商圏にしがみついて、その汁を最後まですすろうとしているに過ぎないのではないか?

だからこそ、海外や、オープンイノベーションや、コンソーシアムや、その他新しい領域ではなかなか相手にされない。理由は簡単。我々は自らの商圏のイノベーションを怠って、自前の新しく儲けるカラクリを作り得ていないのだから。代理店と組んだって、新しいカラクリを活用することはできない、前向きに未来を創る意識がないヒト達と話しても、得るものがあまりない。お得意ならずともそう思うだろう。

我々は、国内だけでなく、荒波に揉まれる海外でも、マーケティングとコミュニケーション、さらに本質的には消費者意識にイノベーションを起こして、そこで儲けるカラクリを作らなきゃならないんだと思う。例えば、比較サイトのベトナム版とか、もちろんコンテンツマーチャンダイズのプラットフォームとか、コンテンツによるプラットフォームとか...

ビジネスで勝ち残るのは本当に難しい。意思決定に時間のかかる大企業ならなおのこと。そして、我々はこのビジネスを変革し続けながら、新しい地平を目指さなければならない。未来の商圏を創造し続けなければならない。クリエイティビティを武器に・



やっぱり、いろんな人と話すと、新しい視点をもらって、自分の考えていたことが整理されてくる。今日議論したのは、マーケティングのこれからのあり方、そして新しい環境下での私たちの役割。


今、私たちがなさなければならないのは、一過性のコミュニケーションやキャンペーンではなく、マーケティングエコシステムをサポートすること。

そのためには、What to sayやHow to sayではなく、むしろ、継続的にターゲットに刺激を発信できるWhat to doをこそ、追求しなければならないこと。

しかし、そのためには、新しいチカラが求められてくる。What to doの提案には、新たな仕掛け/座組を提案できる、アーキテクトとしてのチカラこそが、競争力となること。

すなわち、マーケティングというドメインで、クリエイティビティとコミュニケーションを競争力に、これまでとは全く異なる競合者(例えば、ロジスティックスという競争力を持った商社とか、資金をもった投資銀行とか)と戦うコトが求められていること。


最近モヤモヤしていたことが、やっとつながった。それにしても、相変わらずチャレンジは続く...