伝統芸能としての日本のミーティング

| トラックバック(0)

久しぶりに(割と古いタイプの)クリエイティブの打合せに出ていて思ったんだけど...このスタイルは既に日本の伝統芸能の域に達してるんじゃないかしらん。


凄まじく共有化された事例や実績をベースに、ブリーフもメモもないところから、ターゲット規定やマーケティング目標、メッセージからタレントまで、CMの演出からカメラマンまで、ありとあらゆることを,ごった煮にして連続的に主要スタッフ全員で話してる。


お互いに気心のしれたハイコンテクストな議論だから、大きく枠組みはずれないんだけど、時間にして3〜4時間近く、まるで大海にうねっている浪のような、たゆたゆとしてつかみ所のない打合せが続く。


これって、本当に効率的なんだろうか?


昔々、東大の藤本教授がハーバードで自動者の開発プロセスを研究して、ホンダが他社の2の倍スピードで自動者を開発できたのは、『ワイガヤ』に起点を発する開発コードシステムによって、車種コンセプトから開発/販売要件まで一体化された、フロントローディングにあると看破した。


一方、今でも『スクラム』コンセプトをひき、川上から川下まで一体化された開発プロセスを、大型のシステムやソフトウェア開発に適用している事例は多い。


してみると、先の大海型ミーティングにも、フロントローディングやスクラムと通じるメリットがあるように見えるのだけれど... そこには、決定的に違う大きなポイントがある。


それは『ディスカッションガイド』の存在。


ホンダのフロントローディングには開発コードという厳然として後戻りしないガイドが存在するし、スクラムにも決められたフォーマットによる管理スキームがある。


この『ディスカッションガイド』があってこそ、はじめて議論は後戻りすることなく前に進んで行くし、参加者全員が誤解なく議論を理解し、共有化することができる。ディシジョンガイドは、折角のオールスタッフミーティングを効率化し、真の知的エンジンにかえるキーファクターなのである。


お互いの共有体験と上下関係によってのみ支えられた日本のミーティングも、グローバル化を強く求められている今、そろそろガイドシステムの導入で革新しないと、古色蒼然たる前世紀の遺物になってしまうのかもしれない。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.nobutomo.com/mt/mt-tb.cgi/31

Twitter アップデート


このブログ記事について

このページは、maroが10.10.09 18:41に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「How to : Install Love」です。

次のブログ記事は「the distance」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。