知価産業としての稼ぎ方改革と体質改善

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もともと広告代理店は、媒体の売買に際してのコミッションで稼いできてた。独占的な媒体の受発注権を手に入れることで媒体の枠を販売し、その売上の一定割合を受け取ってきたわけ。もちろん、今でも、このコミッションは代理店の売上と収益の大きなポーションを占めてる。


この媒体のディーリングに加えて、その上で流されるクリエイティブや、販売促進のためのグッズや制作物を扱うようになると、そこにかかった費用に一定の賭け率をのせて請求するようになってきた。つまりマークアップ。一般的には、マークアップの対象となるクリエイティブや制作物、調査分析などは、媒体のような独占権もないし、媒体に比べて絶対額も低いために、コミッションに比べれば相対的に扱いは小さな額に留まる。


これらコミッションやマークアップはいわば関税のようなもので、広告出稿にともなって媒体やクリエイティブの制作が行われれば、自動的に支払われることになるわけで、これまで代理店にとっては便利な集金システムとなっていた。


しかし、ネットの普及にともなう生活者の情報収集行動変化によって、TVCMの役割が小さくなってくると、この集金システムは大きな問題を抱えることになってくる。そもそもコミッションの前提となっていた媒体出稿が低下し、多額の費用が必要であったTVCMの制作が少なくなってくることで、一気に全体の収益が低下し始めてる。


同時に、クライアントサイドからのアカウンタビリティへの要求も、このコミッション&マークアップ方式に変容を迫ることとなってきた。なんだかわからない権利料に多額の費用を支払うことに、いくつかの企業から疑問が呈され始めてるのである。


そこで注目されたのがフィーシステム。働きに対する対価を、時間で換算するレイバーベーストフィーと、内容や業務区分で換算するタスクベーストフィーとの違いはあるものの、いずれも何らかの業務に対しての対価であり、クライアントサイドからもわかりやすい。アカウンタビリティを求める企業側にとっても,コミッションとマークアップだけでは収益に危険性があることに気づいた代理店の双方にとって、魅力的な形態として見えてる。(本当は、コミッション方式でそのまま続けた方が、計算上得する企業も多かったりして、このあたりなかなか難しいんだけど...)


当然のことだけど、一定水準以上のフィーを請求し受け取るには、それに相応する『知的付加価値』の提供が不可欠となる。もともとアカウンタビリティや収益低下への対応から注目されたフィーシステムは、その一方で、代理店の知識産業化あるいはプロフェッショナリズムを推進する大きなドライバーとなってきた。


さらに、このようなプロフェッショナリズムが進展することによって、稼ぎ方はさらに新たなフェーズに入ってくる。1つは、期待される成果をKPIで規定、達成した場合に始めて対価が支払われる成功報酬システム。もう1つは、実際の商品や事業の収益の一部を、あらかじめ設定された料率で分配するリベニューシェア。


実体的には、これらの収益システムは、クライアント毎にその歴史的経緯や経営の意思などによって採用の状況が異なり、かつ同じクライアントの中でも混在しているケースが多い。実際にどのスキームが最も効率的で効果的かは、それぞれの特質に応じて違ってくるので、この最適のスキームを探すことそのものが大きなイシューとなってる。


稼ぎ方のシステム構築は、クライアントと代理店の関係再発見を促し、ことに代理店に対しては『知恵で稼ぐ』新しい時代への進化を強力に後押ししようとしている。まだまだコスト意識・稼ぎ方意識・自分自身の付加価値に対する意識の低い我々にとって、この進化こそが生き残りをかけた大きなチャレンジとなってきてる。

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このページは、maroが 6.11.09 1:09に書いたブログ記事です。

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